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2021/02/15 雑談

サーバント・リーダーシップ

サーバント・リーダーシップ

はじめに

皆さんはサーバント・リーダーシップという言葉をご存知だろうか。
おそらく「それ知ってる、マジウケるんだけど~」などという方はなかなかいないだろう。
これは元々、アメリカのロバート・K・グリーンリーフという人が提唱した考え方で、
Servantは直訳すると奉仕者、従者、召使という意味で、
Servant Leaderを和訳すると奉仕型リーダーなどと呼ばれたりする。
<奉仕>と<リーダー>、一見相反する言葉の組み合わせに違和感を抱く方も多いと思うが
その点については今回私が読んだ
『サーバント・リーダーシップ入門』(池田守男+金井壽宏、かんき出版、2007年)
という本を参考にお話したい。

サーバント・リーダーシップとは?

そもそもこのサーバント・リーダーシップという言葉は、私が仕事柄リーダー職を務めることが
多くなってきた中、リーダー論関連の書籍を読み漁ったり、関連サイトなどを閲覧していく中で
偶然知ったのがきっかけで、以前から興味はもっていたが、なんとなく「ボトムアップ的な聞く耳を
持った話の通じるリーダーで、パワハラ上司よりマシかな~」ぐらいにしか理解していなかったので、
せっかくなのでちゃんと学んでみようと思い冒頭の書籍を購入して読んでみたというのが
投稿のきっかけである。

まず同著で語られているサーバント・リーダーシップについて、非常に簡易的ではあるが私なりに
以下にまとめてみた。
(詳細について興味がある方はぜひ読んでいただきたい。概念的な話や普及するに至った歴史的背景
 だけでなく、実在する企業の元社長などの具体的なエピソードも交えて掲載されているので。)

 サーバント・リーダーシップとは『あるミッションに基づき、メンバーに対して奉仕・サポート
 する気持ちを持って行動しつつも、いざという時には指導力も発揮できるようなリーダーシップ』
 のことを言う。
 誤解を招きやすいのだが、サーバント・リーダーシップは上司が部下に対して奉仕する意味ではなく、
 あくまでサーバント(奉仕者)というのはメンタリティの話で、「サポートしてあげたい」
 「力になってあげたい」という気持ちを持って接するということであり、完全な奉仕者ではない。
 (現実に上司が部下に奉仕していたら、その組織は色々と末期だろうw)

 そして一方でここ一番チームの危機やトラブルなど必要な場面では、リーダーとして方向性・指針を
 示し、意思決定をするなど指導・指揮といったトップダウン・リーダーシップも併せ持つことを
 同書ではサーバントリーダーシップと定義している。
 つまり、サーバントとトップダウンのどちらの要素も両立したリーダーシップである。


以上少し抽象的な話でわかりづらいかもしれないが、私が元々イメージしていたような単なる
ボトムアップだけでなく、トップダウンとの両立・使い分けといったところがポイントである。

※同著では他にもサーバント・リーダーシップについて「あるミッションに基づき、奉仕と指導の精神を
 持って行動するリーダーシップ。」「難所でリヤカーを後ろから押すような意識。」
 「どこの誰にでもある」などといった説明もされている。

IT業界のリーダーシップは?

では実際のIT業界においてサーバント・リーダー的存在がどのぐらいいるかというと、
あまりいないように思われる。(主に前職での実体験にもとづく私の独断と偏見だがw)

一定の契約期間が終わると次から次へと異なるプロジェクトにアサインされ、リーダーやチームメンバーも
都度変わる仕事柄、これまでにも数十人のリーダーの下で仕事をしてきた経験があるが、
その多くはトップダウン型と感じる。

例えば、メンバーの作業の細部まで口出し&ダメ出ししないと気が済まない徹底介入型リーダー
「自分の言うとおりにしていればいんだ」とばかりに一方通行的に指示・命令を出し猛進する牽引型リーダー
「進捗率は?」「いつ終わる?」「根拠は?」などと進捗状況の確認をロボットのように機械的に繰り返す
進捗管理型リーダー、これらのタイプはいずれもスタンスとしてはトップダウン寄りで、
なんだかんだでプロジェクト全体の進捗には問題なくチームとして最低限は機能していることも多い反面、
メンバーの主体性やモチベーション低下につながるリスクももっている。
細かな点で違いはあれど、私が見てきたリーダーの多くはこれらのトップダウン型に分類される。

一方、基本的にメンバーの個性や意見を尊重し耳を傾けるのはいいが、何事もボトムアップすぎる
御用聞き型リーダーもいた。このタイプは総じてプロジェクト全体の推進力に欠け、
特にトラブル発生時の舵取りなどに問題を抱えがちだが、平時には問題ないことも多く、
メンバーとしてはトップダウン型よりはやりやすい面も多い。

他方、トップダウンでもボトムアップでもなく、基本的に自分からメンバーに対して主体的なアクションを
おこさない放置型リーダーもいた。(メンバーの主体性を促すために意図的に放置しているのなら別だが)
このタイプはそもそも「YOUは何しにリーダーに?」といった感じだが、メンバーに主体性があれば意外と
機能するなどいい面もある。こういったタイプのリーダーもごく少数だがいたのも事実だ。


自分もリーダーをやってみて思うが、トップダウン型が多いのは、ユーザー要望を満たした納品物の提出や
納期を守るといった最低限死守しなければならないラインを強く意識しているためであり、そのためには
まずプロジェクトを進捗させないことには始まらず、往々にして十分な時間的余裕がない中で結果を出すには
トップダウンという形をとらざるをえないという事情もあるだろう。
それに管理監督といったトップダウンに重きを置きつつも、他方ではメンバーのことを気にかけている
リーダーも少なからずいる。

ただし、求められる最低限+αのサービスを実現・提供できるようなチームを目指すとなると、
管理監督・牽引を基本姿勢としたトップダウン・リーダーシップではリーダーの能力以上の結果を出すことは
難しく、ある程度のレベルで頭打ちになるような気がしている。
だが、サーバント・リーダーシップならば、「リーダーは普段はメンバーの能力を最大限に引き出せるよう
サポートに注力しつつも、必要とあればリーダー自らも最前線で指揮を執る」「リーダーの個の能力に依存
しすぎず、チームメンバーも生かし成長を促しつつ結果も出す」
そんなバランスのいいチーム作りができる
可能性を持っていると個人的には感じている。(簡単ではないが)

自分は何リーダー?

ちなみに私自身は「自分はサーバントリーダーだ!」などと言うつもりはないが、自分がリーダーをやる際に
いつも意識しているのは「(自分も含めて)メンバーの能力を最大限に生かすためにはどうすればいいか」
ということで、こういった点についてはちょっとしたサーバント・リーダシップにつながる部分なのかも
しれない。

何しろ私自身、前述のとおり多くのトップダウン・リーダーシップを目の当たりにしてきて、
サーバント的な要素が足りないと感じていたわけなので、彼らの足りない部分を補うという発想に
たどり着いたのはある意味自然な流れと言える。

特にトップダウン型リーダーはメンバーに対するサポートといったメンタリティを持ちづらく、任せては
みたものの黙っていられずについ口を出してしまい、メンバーの主体性や成長の機会を失いがちなところがあり、
そこは「まず第一にメンバーを生かす、サポートする発想を持てればもっとよくなるのに」と以前から
感じていた部分なので私自身も今後リーダーをやる際には意識していきたいところだ。

最後に…

昨今は時代も令和になり、昭和色を残したトップダウン・リーダーシップ(特に牽引型)はミスマッチに
なりつつある印象もあり、リーダー側も時代に合わせて変化・対応をしていく必要があるのではないかと思う。

また、今後リーダーになろうという方についても時代と共にマッチしたリーダーシップ自体も変わりつつあり、
「仕切り力・カリスマ性・統率力・決断力」といったいかにも歴史上の偉人や有能な経営者を象徴するような
特別な素養(人の上に立つ資質)がなくても、「サポート力・フォロー力・ヒアリング力」といった誰もが
持っている素養があれば、リーダーを務めることができると考えれば、心理的なハードルも下がるのでは
ないだろうか。

常にメンバーを引っ張ったり、仕切ったり、指示したりするのではなく、基本的にはメンバーの力を生かせるよう
メンバーを助けて、普段はサポートやフォロー役に徹しつつも、ここ一番では方向性を示す、そんなスタイルの
リーダー像もあっていいのであれば、トップダウン・リーダーシップよりはできそうには思えないだろうか。

何しろ私自身も統率力もないし、仕切りたがりでもないし、カリスマ性などかけらもないし、
特別にボランティア精神に富んでいるわけでもない。何より愛想が悪い。
ただ、それでも曲がりなりにもリーダーを務めることができているのは
ほんのわずかなサーバント・リーダーシップを発揮できているからなのかもしれない。

単なる理想論か、新時代の福音か。信じるか信じないかはあなた次第。

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