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2019/02/12 データ分析

ツイート数からみる”バーチャルYouTuber”ブーム

ツイート数からみる”バーチャルYouTuber”ブーム

今やYouTuberの話題の半分を占めるほどのクチコミ数に

当社が提供するソーシャルビッグデータ検索ツールの「beInsight(ビーインサイト)」を使って、話題の「バーチャルYouTuber」について調べてみました。

「バーチャルYouTuber」とは?

YouTubeで動画配信活動を行う人を「YouTuber(ユーチューバー)」と称しますが、“生身の人間”ではなく、3DCGなどで作られた“バーチャルなキャラクター”が動画配信を行う場合、そのキャラクターは「バーチャルYouTuber」、略して「VTuber(ブイチューバー)」と称され、動画配信で人気のスタイルとなっています。
2018年4月に入ると、VTuber市場に総額100億円規模の投資を行う、というGREEの発表があったり、VRキャラクターに扮してライブ配信を行えるプラットフォームを提供する、というドワンゴの発表があったりと、ビジネスシーンでも注目の話題となりはじめました。

「VTuber」ブームに火が付いたのはいつ? →2017年12月21日を境に大きな話題に成長

「バーチャルYouTuber」をキーワード[1]として、beInsightでTwitterの全投稿を検索したところ、定期的な言及は2016年12月2日からはじまり[2]、2016年12月のひと月で138件のツイートと、407件のリツイートが確認できました。
VTuber界隈に詳しい方はピンとくるかもしれませんが、“世界初のバーチャルYouTuber”を自称するキズナアイ(@aichan_nel)さんのYouTubeチャンネル、「A.I.Channel」の開設日が2016年12月1日なので、キズナアイさんの登場以降、バーチャルYouTuberという言葉が認知され、話題になりはじめたことがわかります。その後のツイート件数は、以下のグラフのような推移となっています。

2017年12月にツイート数、リツイート数ともに急増していますね。12月ひと月のツイート数は前月比で75倍という急増ぶりです。キズナアイさんの生誕(?)一周年のタイミングで、ブームに火が付いたと考えられそうです。
一度増えたツイート数はその後も衰えず、2018年3月はひと月で25万件を超え、約27万件(リツイート数を含めると80万件超え)と、さらに大きなブームへと成長している様子がうかがえます。

さらに、2017年12月の投稿数の推移を日別でみてみます。

2017年12月18日~20日に、じわじわと投稿件数が増加し、21日に爆発的に拡散されたようです。ツイート数からブームの起こりを判断すると、VTuberブームは2017年12月21日に火が付いたといえるのではないでしょうか。

「VTuber」ブームに火が付いたきっかけはなんだったの?
→チャンネル登録者100万人突破とTwitterのトレンドランクインが契機
続いて、当時どんな内容が語られていたのか、「VTuberブームの着火前夜」といえそうな2017年12月18日~20日の3日間と、ブームに火が付いた当日の21日に、多くリツイートされた話題をチェックしてみます。
VTuberブーム着火前夜に最もリツイートされた(3日間で3,858件リツイート)のは、以下のツイートでした。



「海外人気が高い」「2018年に大化けする分野かも」との言及から、まだブーム前である様子がうかがえます。この直後にVTuberブームに火が付くわけなので、すごい先見の明ですね。

ちなみに、同時期のリツイート数5番目(3日間で577件リツイート)は、チャンネル登録者数100万人達成記念LIVEを告知した以下のツイートでした。



この時期、A.I.Channelのチャンネル登録者数が100万人を突破したというトピックがあったようです。そのため、VTuberのことを話したりオススメしたりしやすい空気ができていたのではないでしょうか。

そしてそのような話題が積み重なった結果か、20日の夜、Twitterの「トレンド」にバーチャルYouTuberがランクインしたようです。



トレンド入りを契機に、さらにVTuber関連の話題が増加し、様々なツイートの拡散が加速します。

結果、ブームに火が付いた21日当日に最もリツイートされた(1日の間に25,856件リツイート)のは、人気VTuberをまとめて「四天王[3]」というくくりで紹介した以下のツイートでした。



VTuberブームに火が付いた日は同時に、キズナアイさん以外のVTuberにも注目が集まりはじめ、“バーチャルYouTuberは動画配信スタイルの一つ”という認識が広まった日でもあったのではないでしょうか。

流れをまとめると、
(1)じわじわファンを集めていたVTuber界隈に大きなトピックが生じる(A.I.Channelのチャンネル登録者数が100万人を突破)
(2)初期のファンが話題にすることで、「バーチャルYouTuber」がTwitterのトレンドに入る
(3)世間の関心を集めて、人気ツイートのリツイート数が大きく伸びる
といった形でブームに火が付いたようです。
テキストマイニングを行わずとも、多くリツイートされた話題を追っていくだけで、VTuberブーム着火前夜から当日までの流れがなんとなく掴めてきましたね。

そもそも、どのくらい「VTuber」はブームなの?
→YouTuberの話題の半分を占めるくらい
2018年3月には、VTuber関連のツイート数がひと月25万件を超えた、と述べましたが、「ひと月25万件超えのツイートって、どのくらい凄いことなのかわからない」という方のために、比較対象として、beInsightでYouTuberの投稿件数も検索してみました[4]。

「YouTuber」のツイートは2102年1月時点ではひと月で85件確認できます。そして、徐々にツイート数が増えていき、ひと月のツイート数が初めて25万件超えしたのは2017年3月でした。2017年は、ユーキャン新語・流行語大賞に「ユーチューバー」がノミネートされた年です。また、筆者自身は、「動画撮影すると子どもがYouTuberの話し方を真似する」という知人の話を当時聞いて、驚いたことを覚えています。それだけYouTuberの存在の認知が一般に広がり、話題になっていた時期だといえるのではないでしょうか。
世間的なブームの大きさとツイート数が連動するのならば、VTuberもYouTuberと同じくらいの社会現象を引き起こす可能性を秘めているのかもしれません。

続いて、「YouTuber」と「VTuber」のツイート数を、割合で比べてみます。

2018年3月時点では、YouTuberについてツイートの4割半がVTuber関連でした。「YouTuberに関連するツイートを探すと、半分近くはVTuberの話題」だと考えると、そのブームの大きさを実感していただけるのではないでしょうか。

Twitter以外のメディアでは話題になっているの?
→ほかのメディアでも同じように話題数が急増
Twitter以外のメディアでは、どの程度話題となっているのでしょうか。ブログの投稿件数(13ブログサイトの投稿件数合計)もbeInsightで検索してみました。

Twitterと同じ時期、2017年12月に投稿件数が急増しています。それ以前は多くてもひと月に20数件だった投稿数が、2017年12月には1,876件、前月比で78倍に急増しました。

次に、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の投稿件数を検索してみてみます。こちらは、「バーチャルYouTuber」を含むレス(コメント)の投稿件数です。

こちらも2017年12月に投稿件数が急増していますが、翌月の2018年1月で件数が大きく増加しています。VTuberの話題に関していえば、Twitterやブログと比べると、5ちゃんねるでは流行に火が付くのがやや遅かった印象を受けます。

さらに、News記事件数(12の新聞社サイトと49のニュースサイト、計61メディアの合計)も検索してみます。

2017年4月からNews記事に登場し始め、こちらも2017年12月から記事件数が急増しています。以降、右肩あがりで記事件数が増加しているため、そろそろ、ふだんソーシャルメディアから情報を得ないような層にも、VTuberの話題が届き始めている頃合いではないでしょうか。

ここまでのブームになる前に、兆候はなかったの?
→2017年5月以降からブームの兆しが
ビジネスシーンでソーシャルリスニングを活用する場合は、「大きなブームになる前に、その兆候をつかみたい(そして早めに対策を打ちたい)」というご要望を持たれると思います。VTuberの例でいえば、2017年11月以前にブームの兆候につかみたい、というところではないでしょうか。

そこで、ブームの兆候を探るために、2017年11月以前のツイート件数推移をみてみることにします。

2017年5月と8月にリツイート件数が増加していることがわかります。
5月は「バーチャルYouTuberのキズナアイが可愛いからみて」とオススメする、最初期のファンのツイートが多くリツイートされていました。以下の2件のツイートを合わせて、5月ひと月で5,441件リツイートされています。





ちなみに、VTuber関連で、ひと月1,000件以上リツイートされたのはこれらのツイートが初めてだったようです。

8月はコスプレイヤーのえなこ(@enako_cos)さんがキズナアイさんのコスプレを披露した、というツイートが大きな反響を呼んでいました。以下のツイートが8月ひと月で3,067件リツイートされています。



同じ月、えなこさんのVTuber関連のツイートで、1,000件以上リツイートされたツイートが5件、1,000件未満が2件あり、それら8件のツイートで合計13,688件リツイートされていました。
最初期のファンがVTuberブームの黎明期を支え、盛り上げてきたことがわかります。

このように、いくつか1,000件を超えるリツイートが出ているので局所的にブームの芽がみえている、といえそうですが、リツイート数の増加は月単位でみても上下動がかなり大きく、ブームの兆候をとらえたい立場からすると一過性の話題の増加にみえてしまいます。
そこで次は、リツイートを取り除いたツイート数の推移に注目してみます。

2017年4月以前は100~500件未満だったツイート数が、5月に倍増し、以降も大きくは減少せずに1,000件前後で推移していたことがわかります。じわじわと人気が広がっている状態、ブームに火が付く前の兆候と考えられそうです。このような、一時期と比べてツイート数が増加している言葉を網羅的にチェックできるしくみがあれば、Twitterのトレンドにランクインする前に、流行の兆しに気づくことができるのではないでしょうか。

終わりに
本投稿で利用したソーシャルビッグデータ検索ツールの「beInsight(ビーインサイト)」は、検索キーワード数無制限で、2012年1月以降のTwitterデータが全量取得できるほか、Twitter以外にも90以上のメディアから取得したデータが検索・利用できます。さらに、ブームの兆候を示している単語をチェックできる「単語発見」という機能を搭載しています。
製品にご興味が湧いた方は、以下ページの情報もチェックしてみてください。
http://www.n-insight.co.jp/products/

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